10月28日、今年2回目となる『So-netの森』第35回森林整備活動が行われ、計12名の社員とその家族が参加。天候にも恵まれ、充実した活動を実施することができました。
今回の活動について、So-netの森事務局の鈴木がレポートします。
この日の佐久は、最高気温が17度と寒くなるかと思いましたが、陽がさしている昼間は、寒さを感じること無く、快適に過ごすことが出来ました。
今回の森林整備活動は、佐久市大沢財産区の議員の方々にご指導いただきながら、12年前に当社社員の手によって植えられたヒノキの間伐と除伐、枝打ちを行いました。
12年前の苗木は、立派に成長していましたが、場所によっては材に適さない細い木や根が曲がってしまっている木などが混在し、枝などが鬱蒼と茂っている状態でした。
佐久市大沢財産区の議長 柳沢さんよりご挨拶をいただいた後、参加者は3班に分かれて、それぞれベテランの議員さんとともに、臼田スタードーム裏にあるSo-netの森のアダプトサインが立っている現場前の広場に到着しました。
間伐・除伐・枝打ちの体験
間伐
各班には、それぞれにベテランの議員さんがつき、木の切り方から指導していただきました。間伐する木にはマークがつけられています。太さは18センチ以下のものが間伐の対象となっています。
- まず、下枝を切り落とし、木を倒す方向を決めます。倒したときに他の木に掛かったりしないよう気をつけます。
- 伐倒方向が決まったら、木の太さの1/4くらいの「受け口」という櫛型の受け口を作り、水平方向と斜めにノコギリを入れていきます。これで木の倒れる方向をコントロールするので、重要な工程ですが、水分をたっぷり含んだ生木ですから、簡単にはノコギリが進んでいきません。
- 「受け口」を作ったら、その反対側から「追い口」と呼ばれる切込みを入れていきます。
- 「追い口」が「受け口」に近づいてくると木の自重で自然に木が倒れてきますので、まわりには「倒れるぞー」と大きな声で知らせます。
- 木が倒れたあとは、枝を払い、一定の長さの丸太にする「玉切り」をして、間伐完了です。
除伐
生木を切るのには、直径18センチでも、バランスよくノコギリを使う力と技が必要となり、1本切るだけでも、腕や腰に負荷がかかってきます。
馴れてくると、ひとりで2~3本の木を除伐する方もいて、効率が上がってきました。
間伐・除伐をすることで、鬱蒼と暗かった森に光が差し込み、残った木はさらに成長します。
成長が促される過程でCo2を十分に吸収、炭素 (C) を木の中に固定し、酸素 (O2) を排出、このサイクルをあと10年、20年、30年と繰り返していくことで良質なヒノキ材となり、有効に利用されることになります。
昼食タイム
午前中で5~6本の木を間伐し終え、お待ちかねの昼食となりました。
昼食に使われた野菜やキノコは地元の方のご厚意により提供されたものです。
地元の議員さんの畑で栽培した自家製野菜を使った豚汁やハナイグチというキノコの煮物、「にこじ」という野菜の煮物や野沢菜などをいただきました。
枝打ち
今回は午後も活動を行い、間伐と同時に枝打ちも行いました。枝が残ったまま大きくなると節だらけの材木になってしまい、価値が下がってしまいます。成長の節目で、枝打ちをすると、節の部分が木の成長とともに包み込まれ、節の目立たない良質な材木になります。
現場での作業を終了し、分教場に戻ると議員さんが畑で収穫したさつまいもを焼いて待っていてくれました。ねっとり甘い焼き芋をいただき、疲れも吹き飛びました。
また、昼食で残った野菜はみんなで山分けして持ち帰りました。
今回の間伐の指導や昼食の準備など、お世話になった議員さんに感謝の気持ちを込めて参加者から盛大な拍手を送り、分教場をあとにしました。
参加された皆さんのご協力もあり、今回も怪我なく、安全に作業を行うことができました。
今回間伐したヒノキは、12年前に私も含め社員のみなさんが植えたものですが、切り倒して年輪を数えてみると確かに13本ありました。 (苗木自体の1年をプラス)
苗木を植えてから4~5年は、下草刈りなどの育成作業を地元の方が行ってくださり、今回の間伐に至っています。木を育てて、人間の手元に来るまでには、大変な労力と木自体の成長の過程があるということを強く実感しました。
長く続いているこの活動から、地方にある森林の現状を見て、知って、体験することで、地球温暖化をはじめとする環境問題などに関心を持っていただきたいです。